風に動じない線香の煙
風に動じない線香の煙
引き続き、お線香の煙の話です。
このお線香の煙の話は
父が本格的な修行の道に入ることになった
きっかけの一つでもあります。
風や人の息に動ずることなく
まっすぐ立ち昇るお線香の煙に衝撃を受けた
父の経験談です。
父の本から引用いたします。
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『 一心不乱に経を上げ続ける
気迫の込もった声に興味を引かれ、
声のする一室をのぞきました。
あとで聞いた話では、
拝んでいたお年寄りは、
飲まず食わずの断食行三日目だったそうですが、
鬼々迫るような姿は、私を圧倒しました。
さらに、私の目を釘付けにしたのは、
お年寄りの前でたかれた線香の煙の動きでした。
風も吹き込む部屋で、
大音声を上げて経を唱えているにもかかわらず、
彼の目前の線香の煙は、全く乱れることなく、
一筋に高天井まで真っすぐ
立ち昇っているではありませんか。』
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風に揺らぐこともなく、
まっすぐ立ち昇る線香の煙を見た父は、
激しいショックを受けたそうです。
煙は、普通
微妙な空気の動きでも揺らぐのに、
まるで、一本の糸のように
真っすぐに天井に吸い込まれていったそうです。
私も線香の煙がこんなふうになるまで
拝んでみたいものですが・・・まだまだ修行が足りません。
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